アイドル大国の新世代

2006年、櫻井翔さんが立てたものは二つある。

 


中指と誓約だ。

 


まず前者は、SUMMER TOUR 2006 ARASHIC ARACHIC ARASICKでの「COOL&SOUL」披露時。

 

後者は前述した「COOL&SOUL」(ラップ作詞:櫻井翔さん)の歌詞の中で語られた“誓い”である。

 


櫻井翔さんが中指を立てたのは「ya so cute 二番煎じ」という歌詞部分の歌唱中。更には「FU○K YOU」と。会場中がザワついた(らしい)。

 


なぜそんな事をするに至ったのか、その辺りの説明は略しておくがとにかく櫻井翔さんは中指を立てたのだ。

 

 

また後者をとても大まかに説明すると、COOL&SOULにて櫻井くんは「最速でタイトルを奪い取る」と誓ったのである。

 

この曲では「誓約」という占いをしている。

誓約とは日本に古くからある言霊信仰に基づくもので、口にした言葉は魂を持つと信じられていた。

 


結局本当に誓約の通りに彼らは最速でタイトルを奪い取り、今やアイドル大国のトップに君臨する。

 

 


ひどく雑だが、こうして櫻井翔さんは2006年に中指と誓約を立てた。

 

 


彼のラップは一言で言えば「シビれる」ものだった。

 


パブリックイメージでは「平和で面白いおじさんたち」などという人畜無害な仮面(?)を被り、4人と共にゴールデンタイムに和気あいあいとサーフィンしたりグルメデスマッチしたり。

 


それでいて実は自らや嵐を日本神話のスサノオに例え、気性の激しい嵐の神のように周りのもの全てをなぎ倒し言霊通りに世界を動かしていってしまう。

 

 

 

ラップを書くのに、そんな対抗心バチバチのリリックは深いオタクしか知らないようなコアな曲でしか書かない。披露するのもライブだけ。

研いだ爪隠し牙をむく、視点を変えれば内弁慶。

 

 

 

こんなアイドル絶対どこにもいねえと思っていたが、嵐を好きになってから早14年。櫻井くんの書くラップのヤバさに気付いて早3年。

 


アイドル大国にも若い世代が着実に育っていた。

 


HiHi Jetsというグループにヤベェ逸材がいたのだ。

 


猪狩蒼弥である。

 


この男、どこか櫻井翔さんに似ている。

というのがHiHi Jetsのメンバー紹介ラップ「だぁ〜くねすどらごん」(作詞:猪狩蒼弥)を聴いた初見の感想だ。

 


この曲、彼が15歳の時に作詞したらしい。はい?

 


嘘やん、この語彙力が?わたしが15の時なんてツイッターと課外学習サボりしかしてませんでしたが…(良い子は真似しないでください❗️)と思いつつまた彼が作詞した別の曲「fence」を視聴した。

 


こちらもワードセンスが光り、歌詞から溢れるギラギラ感にまた櫻井翔さんを感じる。

それこそ「Anti-Anti」のような若さと上昇志向。

 


特に震え上がったのは「綺麗なMic 1本握りしめて No survive I'm like a K・A・I・S・E・R」と「「何を目指してますか?」目指す?笑わせんな 俺は俺だ 違いますか?

里に帰り 爪を切って 首洗って待っとけ」の二つ。

 


これは16歳の時に作詞したらしいが、16で皇帝自称しちゃうあたり興奮で頭抱えた。そして大学生の時にスサノオを自称した櫻井翔さんを思い出してクソデカため息が出た。

 


個人的にどうにも若さゆえのイキリみたいな、自分の事大きく言ってしまう青年が大好きなので。挑発したがりというか、反抗したがるようなところも。久しぶりに結構シビれた。

 

 


里に帰り爪を切って首洗って待っとけで「あぁもういい外野黙ってな そこの飲み屋でIZAM語ってな まるで足んねぇな たてるアンテナ 君ら見てるのそれはあさってだってんだAnti-Anti を思い出して、この年代のある層の男の子というのはこんな傾向があるのかなとも感じる。

 

 

 

櫻井翔さんが研いだ爪隠し牙をむくなら、猪狩蒼弥は爪を隠していない状態だと思う。

隠しきれないのではなく、本人が隠そうとしていない。むしろ見せつけている。

「俺は俺だ」のような発言から見ても、本当に独自に道を切り開いていくタイプに見える。櫻井翔さんが神話をなぞるなら、猪狩蒼弥は一から歴史を作っていく。

 

 

 

考察大好きオタクなので“櫻井”と“猪狩”の字面から受ける印象の正反対さとか、“翔”と“蒼弥”の爽やかパワーや二人の筆跡の差などを考えて何とも形容しがたいため息をついている。

 


とまあここまで書いてきたが、何しろhappyレターで初めて彼のヤバさをはっきりと感じた人間なのでこれはほぼミリしらである。

全然見当違いの事言ってたらごめん。

また何度も櫻井翔さんみを感じてしまう人間で不快に思われる人もいるかもしれないので、そこは謝っておく。

 

 

猪狩蒼弥、おもしれーアイドル…という気持ちです。

 

 

以上です。ありがとうございました